離婚は結婚する時に何倍もエネルギーがいると言います。
引っ越しもまた一生の内に何度もするものでもなく、やはり相当なエネルギーを必要とします。
ただでさえ、消耗してしまう離婚ですが、それに伴う引っ越しも加わって異常にエネルギーを使います。
では離婚に際する引っ越しはどのようにすると、少しでも効率良く出来るのでしょうか?
今回は離婚に伴う引っ越しのやり方や注意点などを見ていきます。
目次
引っ越しするまでに荷物の区分を行う
離婚に際する引っ越しで最も問題になるのは、荷物の区分です。
これは必ず揉めると言って良いことです。
「これは私の物」「これは俺のもの」とただでさえ憎み合っている2人ですので、荷物が自分のものである主張はとても強いものです。
細かい物では、それほど揉めることはないのですが、大物家具や電化製品、宝飾品などでの区分では必要以上に揉めます。
引っ越し日までに荷物の区分をキチンと決めておかないと、引っ越し当日作業の進行が異常に遅れてしまいます。
ある程度、荷物の区分を決めた場合でも、それぞれに納得済みで誰のものであるか札などを貼って明確にしておく必要があります。
口約束だけでは、やはり当日揉めてしまう事は必至です。
また、夫の実家で暮らしていた場合、親も混ざってきますので、より揉めてしまいます。
引っ越し業者は2か所に分けて運ぶので、トラックも2台できます。
その際、いちいち聞かなくてもどちらのトラックに積むか分かる程度には荷物の区分をハッキリさせておきましょう。
荷物の区分を予め決めておいたとしても、当日揉めてしまうということは少なくありません。
そういう意味でも、十分に話し合い、検討し合って荷物の行方をハッキリさせておきましょう。
離婚の引越し当日は、それまで冷静だったとしても、気持ちが揺らぎ感情的になることが多いものです。
そのため、ギリギリになって荷物の行方で再び揉めることもありますので、最低限の区別はしておかなければ、どれだけ時間を費やしても引っ越しは終わらないものだと認識しておきましょう。
離婚引越しの際の各種手続き
離婚の引っ越しにあたっては、様々な手続きが必要となります。
これが、かなりの数になり大変ですのでシッカリ頭に入れておきましょう。
離婚に伴う手続き
- 離婚届
- 戸籍の変更手続き
- 年金の分割
- 国民年金の加入(※扶養に入っていた場合
- 自動車の名義変更
引っ越しに関わる手続き
- 住民票の移動
- マイナンバーカードの住所変更
- 世帯主の変更
- 運転免許証の書き換え
- パスポート
- 印鑑登録
- 郵便物の転送手続き
- 金融機関の住所変更
子供がいる場合の手続き
- 子供の戸籍変更の手続き
- 児童手当などの子供の手当てに関する手続き
- 子供の転園や転校の手続き
離婚引越しのタイミング
離婚で引っ越しする場合のタイミングはいつが良いでしょうか。
法的に「離婚成立前」なのか「離婚成立後」なのか、中々分かりませんよね。
それぞれに色々と事情があるでしょうから一概には言えませんが、離婚で引っ越しする場合は「離婚成立後」が理想的だと言えます。
では、離婚の引っ越しが離婚成立後の方が良いのはどうしてでしょうか。
主な理由は「手続き関連の手間が省ける」「同居義務違反になる可能性がある」からです。
離婚の際は、それだけで様々な書類手続きが必要になります。
引っ越しを離婚前にすると、戸籍や住民票の変更手続きが2回発生することになります。
離婚成立後にした場合、役所周りも1回で済むので手間が省けるのです。
「同居義務違反」は離婚成立前に引越しすることで発生します。
法律上、夫婦には「同居」「協力」「扶助」の義務があり、離婚成立前に引越しをすると同居義務違反になってしまうのです。
この場合、相手側から同居義務違反として婚姻費用や慰謝料を請求してくるケースもあるので注意しなければいけません。
離婚引っ越しの場合費用は?
引っ越し業者に依頼する場合は、当然費用がかかります。
費用については、引っ越しする時期や、家族の人数、移動距離などによって大きく変わってきます。
引っ越し先や、引越し時期が決まったらすぐに引越し業者を決めて見積もりや予約をしましょう。
3~4月の繁忙期などの相場は次の通りです。
- 単身の場合:5~6万円
- 2~3人家族:10~13万円
このような感じです。
では、離婚の引っ越しの場合、費用の負担はどうすべきでしょうか。
この場合、出ていかなければいけない方が支払うことがほとんどですが、円満離婚の場合などは話し合いで相手に出してもらったり、折半するということも少なくありません。
必ずしも全額負担しなければならないということはありませんので、無駄だと思わずに一度は話してみるのも1つの手ですね。
まとめ
今回は離婚に伴う引っ越しのやり方や注意点などを見てきました。
離婚の引っ越しの場合、どうしても感情的になりやすく、引っ越しの荷物の区分けで揉めることが少なくありません。
そうなってしまうと、本来長くても4時間程度で荷物を積めるにも関わらず、延々と積み込みが終わらないと言う事態になることもあるのです。
あまりに長時間となると、延長料金などが発生する場合も考えられるので、荷物の区分は引越し当日までにキチンと話し合って、当日は冷静でいるようにしましょう。