引っ越し業者スタッフの初めての繁忙期と長距離作業


引っ越しをする際に、多くの人が引っ越し業者に依頼するでしょう。

引っ越しにあたって自分がすべきことは良く考えるでしょうが、依頼した引っ越し業者スタッフがどんな仕事をしているのか知っている人はいないでしょう。

一見必要ではなさそうなスタッフの労働内容ですが、知っておくと何かと便利だということもあります。

そこで今回は、引っ越し業者スタッフの繁忙期の仕事内容や初めての長距離引っ越しについての体験談をお送りします。

初めての繁忙期

皆さんは、引っ越しの繁忙期というのを知っているでしょうか?

引っ越しをしたことがある人や、引っ越しを控えている人は、繁忙期や閑散期について理解しているかも知れません。

ですが、繁忙期に引っ越しスタッフが、どの程度のレベルで作業に臨んでいるのかということは分からないでしょう。

私がスタッフとして引っ越し業者に就職したところ、繁忙期のことを知らずに、繁忙期まで後1ヶ月というタイミングでした。

まだまだ、慣れていない状況から、いきなり繁忙期を迎えたわけです。

その日の作業は、まず地元から地元の一軒家の引っ越しを、入ったばかりの新人アルバイトと2人でこなさなければなりませんでした。

幸い、3人家族の家庭で、荷物自体はそれほど多くなく、2トントラックで朝の7時半から昼の12時までに終わらせることができました。

閑散期であれば、この1軒で終わることもあるのですが、繁忙期ですからそんなわけにはいきません。

次の引っ越しは、やはり3人家族の家庭です。

繁忙期2軒目は中距離

次のお客様は、地元で荷物を積み、高速で約3時間の中距離引っ越しでした。

この会社では、200~300kmは中距離とされています。

ですので、別途の手当はありません。

1軒目が終わり、急いで現場に向かい、午後の1時ころに到着しました。

荷物を出すこと自体は、一軒家でしたので、それほど手がかからず終えることができたのですが、引っ越し先が5階建てにも関わらず、エレベーターがなく、お客様の部屋は5階の一番奥という最悪のパターンでした。

こうした引っ越しの場合、荷物を運ぶのに、いわゆるバケツリレーをしていると時間が掛かり過ぎるため、大きめの家具なども1人で運ぶという方法を取らざるを得ません。

この引っ越しは、結局夜の7時まで続き、終わったころには完全に体力は奪われ、グロッキー状態でした。

夜間に3件目の荷物積み

2軒目の引っ越しが終わったら、次はそこから高速で約3時間かかる家の荷物出しに行かなければなりません。

食事もとる時間がなく、初日でこの引っ越しにあたったアルバイトは、辛くて泣いているという状況です。

幸い道もすいていたので、予定より30分ほど早く現地に到達しました。

ただ、約束の時間からは3時間遅れてしまったので、お客様は不機嫌でしたが、とにかく急いで荷物を積むしかありません。

我々のボロボロの状況を見て、お客様の怒りは収まり、同情すらされました(笑)。

それだけではなく、荷物を積むのに協力してくれ、4人家族分の荷物ですが、2時間ほどで積み込み完了です。

極限状態で初めての長距離

その時、積んだ荷物を今度は高速で約7時間はかかる県に運ばなくてはなりません。

夜中の0時に積み込みが完了しましたが、現地には朝の8時に着く約束になっています。

8時間かかることを考えれば、一休みもせずに走り続けるしかありません。

荷物を積んだ場所は田舎で、コンビニエンスストアをなく、深夜ですので静まり返っていました。

我々は仕方なく、そのまま高速に乗り、現地の県へと走り出しました。

途中のパーキングエリアで、飲み物だけを買って休むことなく走り続けます。

交代で寝ることができれば良いのですが、アルバイトはトラックの運転経験がないので、私一人でとにかく走り続けました。

その甲斐あって、現地に到着したのは朝の7時50分とギリギリ間に合ったのです。

荷下ろしは、一軒家の1階に降ろせば良かったので、比較的簡単に終わりました。

本来なら、ここで1度休憩をはさみたいのですが、その日の夜に乗ってきたトラックでの仕事があることから、そのままトンボ帰りすることに・・・。

さすがに、帰り着いて、そのまま次の引っ越しに行けとはいわれませんでしたので、約34時間ぶりに休憩を取ることが出来たのです。

しかし、疲労のピークということもあり、食事は喉を通りませんでした。

しかも、翌日の朝7時から再び仕事があります。

明日のために、もう寝るしかないと翌日の仕事時間ギリギリまで眠り続けたのでした。

久しぶりに食事にありつけたのは、それから約5時間後でした。

ちなみに残業手当などは、全く出ません。

遠出に出ている間の食事代も自分持ちです。(食べていませんが・・・)

そのころは、日給換算で約9,000円でしたので、2日の仕事で18,000円でした。

さらに長距離手当は、運転した私のみが1km×10円で10,000円をもらいました。

時給に換算すると私は823円、アルバイトは529円という少額だったことをお伝えしておきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

繁忙期には、このように過酷な労働を引っ越し業者のスタッフは押し付けられます。

これだけハードでも、基本的日給は変わりません。

人手不足ですので、私のように初心者のリーダーとその日が初めてのアルバイトとのペアで作業に向かうケースは少なくないのです。

これでは、モチベーションが落ちて、パフォーマンスも上がりません。

疲れすぎで、途中からは思考停止状態です。

さらには、最期の積み荷をしている時には、目の前が何故まっ黄色になっていました(笑)。

あまりのハードさに、1日で辞めるアルバイトもいるので、どんどん人不足に陥り、1人あたりの仕事は更に過酷になるのです。

このように、繁忙期の場合はまともな引っ越しができるとは考えない方が良いでしょう。


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