老人ホームへ引越しやその手続きは、高齢者である本人ができることは少なく、通常はご家族が本人に変わって手配しなければなりません。
引越し先が老人ホームという施設であるという場合は、通常の引っ越しとは様相が違います。
そこで今回は、高齢者施設が入居先となる引っ越しの場合の注意点などを見ていきましょう。
目次
老人ホームへ引越しするときの流れ
- STEP1:入居手続き
老人ホームに入居するには、まず施設を見学して入居申し込みを行い、必要書類や健康診断書などを準備し、面談の上、入居審査を受けます。
その後に契約を行い本入居日を決めることになります。
その他の介護施設である、グループホーム、有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、そしてケアハウスなども基本的には同じ手続きになりますが、認知症など介護の程度によって入居可能な施設が制限される場合があります。
- STEP2:引越しの前準備
一般的な住宅型有料老人ホームの居室の広さは、20平方メートルほど。
部屋の大きさには限りがあるために、ほとんどのケースでは断捨離が必要となります。
また、施設により異なりますが、一般的には、火器類、刃物、貴金属類などは持ち込み禁止がほとんどですので気をつけましょう。
まずは、持っていく荷物・家具を準備する必要があります。 一般的に必要とされるのは、衣類、タオル、シーツなどと、それらを収める整理用のタンスなど。
車椅子や杖などの必需品は、通常の引越し荷物とは分け、直ぐに使用できるよう取り出しやすい場所へ入れるようにする必要があります。
家具や家電についてですが、施設にもよるものの、テレビや単身用冷蔵庫など、最初から施設に備え付けがある家具は、施設側から持ち込みを断られることが多いようです。
荷物整理は、仏壇の位牌など本当にかけがえのない大切なものは別として、ほとんどの物を処分しなければなりません。
引越し当日になって入居先の老人ホームの部屋に着いてから、入りきらないということにならないようにしましょう。
- STEP3:引越し当日
衣類程度だけなら家族で荷物を運ぶことが可能ですが、レンタカーを借りなければならないほどの荷物量になったり、家具類があるなら無理をせず、自宅から施設内への搬入は引越し業者に依頼することをお勧めします。
老人ホームへの引越しのポイント
荷物整理には業者を使うと便利
老人ホームなどの高齢者施設に入られる入居者ご本人が引越し準備をする場合、荷物の量が多かったり、荷造りや仕分けといった作業が体力的に難しいこともあり、本当に大変です。
不用品回収業者や、引越し業者のオプションサービスで荷物の処分が依頼できれば利用すると楽ですし、片付けもスムーズに行えます。
引越し業者によっては、不用品回収と引越しがセットになっている場合もあるので、引越し会社や老人ホームなどの施設の人に相談してみましょう。
トランクルームの利用も考えてみる
どうしても捨てたくないけれど、老人ホームに持ち込めないといった場合には、荷物を保管できるトランクルームを利用する方法もあります。
宅配型トランクルームであれば業者が引き取りに来てくれますし、引越し業者によっては、老人ホームなどの施設へ引越す往路に「立ち寄り」としてトランクルームに行ってくれる場合もあります。 これなら、気軽に依頼できますね。
住所変更手続きが必要になる場合もある
老人ホームの中には住民票の移転を義務付ける施設があります。
今は介護認定を受けていても、住民票の登録地でないと入居後は受けられなくなってしまう介護サービスもあり、こちらは入居前に事前の確認と注意が必要です。
老人ホームへの引越しにおすすめの理由のプラン
単身プラン
ダンボール20~30個程度のプランです。
プラスで中型家具や電化製品など2点程度まではプラン内の業者がほとんどです。
荷詰め、荷解きは基本的に自分で行います。
中にはクロネコヤマトの引っ越し単身パックのように、大型の専用ボックス内に納まる荷物であれば、種類は問わないというものもあります。
スタンダードプラン
同一地区や隣接する地区への引っ越しはスタンダードプランが最適です。
最もポピュラーなプランです。
荷造り、荷解きは自分でする必要があります。
荷物の目安は、ダンボール50個前後。
プラスで大物家具や電化製品3点は可能です。
金額は、おおよそ35,000円~40,000円といったところです。
梱包プラン
梱包プランは、荷詰めを引っ越し業者が全て行ってくれるプランです。
高齢者の方は、中々自分で荷詰めできませんし、近親者の方も何かと多忙で手伝えないという場合もあるでしょう。
そうした場合には、業者に全て任せてしまうと楽です。
価格帯は、スタンダードプランの料金プラス10,000円程度でできるでしょう。
フルコースプラン
フルコースプランは、梱包、荷物移送、開梱と全て引っ越し業者が行います。
梱包だけでなく、開梱も骨の折れる作業です。
少々値が張りますが、時間の制約もある中で、中々引っ越しの作業をするのは難しいので、このプランはお勧めです。
料金はスタンダードプランにプラス20,000円程度で予算を抑えることは可能でしょう。
まとめ
今回は、高齢者施設が入居先となる引っ越しの場合の注意点などを見てきました。
住み慣れた我が家から環境の異なる老人ホームへ入居するのは、本人にとってもご家族にとっても一大決心となり、その心労は計り知れません。
せっかくの門出にケチがつかないよう、スムーズかつ安全な作業が求められますね。