生活保護受給者は引っ越しが可能でしょうか。
まずは大前提としてこうした疑問を持つ人が少なくないでしょう。
答えを言うと生活保護者の引っ越しは当然可能なことです。
今回は生活保護者引っ越しできる?生活保護の引っ越し詳細などの情報をお届けしていきます。
目次
ケースワーカーに相談
生活保護者の引っ越しは当然の権利として出来るのですが、簡単ではないことは確かです。
引っ越しをしたいと考えている生活保護者は何をおいてもまずは担当のケースワーカーに相談することが大事です。
引っ越し先の条件によっては生活保護の受給が停止されてしまう恐れがあります。
生活保護者における引っ越しの絶対条件は受給を止められないことです。
担当のケースワーカーに話し、ケースワーカーがOKを出せば、生活保護を受けている自治体に話がいきます。
その時点で無理なら中々引っ越しを押し通すことは厳しいでしょう。
第一段階を通過できれば、そこから自治体が認めてくれるかどうかが重要になってきます。
ケースワーカーが認めても自治体がOKしなければ引っ越しは不可能になります。
生活保護でも引っ越しが認められやすいケース
では、生活保護者でも引っ越しが認められやすいケースとはどんなものでしょう。
1、世帯人数からみて著しく狭い場合
2、離婚により新たに住居を必要とする場合
3、災害などにより住居が消滅及び生活できない状態の場合
4、老朽または破損により居住出来ない状態の場合
5、仕事を退職したことで社宅などから転居せざるを得ない場合
6、社会福祉施設などから退所するケースで帰る家がない場合
7、家賃が規定の上限額を超えていて、ケースワーカーの指導により転居する場合
8、国や地方自治体から都市計画などのための土地収容を理由に立ち退きなどで転居を必要とする場合
9、入院している人が退院した時に住居がない場合
10、病気療養上著しく環境条件が悪いとみなされる場合
11、身体障害者がおり、設備構造が居住に適さない場合
12、家主が相当の理由をもって立ち退きを要求した場合
13、親戚、知人宅などに一時的に身を寄せていた者が転居する場合
14、日常的介護を受けるため扶養義務者の近隣に転居する場合
15、宿所提供施設、無料低額宿泊所などを維持知的な住居として利用していた人が居宅生活ができると福祉事務所に認められた場合
このように認められやすいケースを挙げてきましたが、もちろんこれ以外のケースでも認められることはありますので、ケースワーカーに相談することが大事です。
生活保護受給者の引っ越し費用はどうなる?
引っ越し業者に依頼した場合、受給者がその費用を払わなければいけないのでしょうか。
答えから言うと、引っ越し業者への支払いは自治体が支給してくれます。
但し、支給に関してはいくつかの条件を満たす必要があります。
引っ越し業者の選定
第一に、最低でも3社以上の引っ越し業者から見積もりを取らなければいけません。
その中から一番安い業者を自治体が選定して引っ越し費用を支給します。
支給されないのはオプション?
引っ越しの費用は自治体が払ってくれることが判りました。
では、引っ越し業者に支払われる費用の中で認めてくれないものは何でしょうか。
引っ越し業者も今や様々なオプションが付いています。
例えば荷物の梱包、開梱のおまかせパック、お掃除パック、盗聴器捜索サービス、電気製品の設置などがあります。
身体に障害がない限りは上記のようなオプションの分は支給されません。
エアコンは支給対象
意外に思うかも知れませんが、エアコンが「生きていくために最低限必要」な生活用品と認められたのは2018年からです。
それまでの生活保護受給者はエアコンもない中で耐えていたことになります。
現在はエアコンが必要であると認められていますので、上限はありますが支給案件に入ります。
また、引っ越し元にエアコンがある場合のエアコンの取り外し、設置に掛かる費用も支給されます。
引っ越しの際に支給対象となるもの
生活保護受給者にとって、引っ越しは荷物を運ぶだけで終わりません。
特に初めての受給で生活する場合には、最低限必要なものがなかったりします。
これらを「家電什器費用」と言いますが、引っ越し費用とは別に支給されるものです。
支給対象は「カーテン」、「ガスコンロ」、「照明器具」、「エアコン」などです。
「生きていくために最低限必要」と思われるものを考えれば自ずと判ってくるのではないでしょうか。
こういうものもケースワーカーに相談して、どこまでが支給される範囲か、どこまでが支給されないかを考えて計画的に新生活を送りましょう。
まとめ
今回は生活保護受給者の引っ越しについて説明してきました。
今や、生活保護受給者は200万人を超えており、日本人口の約50人に1人h生活保護を受給している計算になります。
とは言っても、生活保護受給者も好きでそういった生活をしている訳ではありません。
一部の地域や一部の人たちを除いては、生活保護の支給額では「最低限の生活」すら送れていない人が多くいます。
その中でも、住居と言うのは大きな問題です。
特に引っ越し業者へ支払う料金などは高額ですので、引っ越したいと考えていたり、止むに止まれぬ事情で引っ越す必要がある人はどう捻出すれば良いか不安になりますね。
しかし、引っ越し費用の大方は自治体が負担してくれるようです。
ですが、支給に関して積極的に教えてくれるケースワーカーはいないので、自分で学んで自分から聞いていくようにしましょう。